主に江戸について

主に江戸後期の、主に庶民の暮らしを調べながら書いてます。堅苦しくなくポップ(?)に☆読んだ本のメモが中心。

農民はあんまり「重税に喘いで」なかったらしい =『逝きし世の面影』第3章より=

今日は『逝きし世の面影』第3章から。

 

江戸時代の農民って

「五公五民」とか「四公六民」とかいわれる

重税のとりたてに苦しんで、貧しさに苦しんでいた・・・

 

と思っていたけれど、

実は、かなり違うみたいです。

 

 

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簡単に本の内容をまとめます。

 

 

 

 

江戸後期の農民は、衣と食の面で満ち足りていた

 

 

十分な食事をとり、

着物にも困っておらず、

簡素であるが快適な家に住み、

幸せで満ち足りた生活をしている

 

ーというのが、

江戸後期に農村を訪れた異邦人の

ほぼ共通した印象だったようである。

 

これは、(もちろん例外もあるが)

貧しい農村においても同様だったようである。

 

つまり、衣と食に関しては

最低限、以上に満たされていたということ!

 

 

そして、それを支えたのは農業技術であり

田園や畑は

「農園というより庭園に似ている」と形容されるほど、

手入れが行き届き、整備されていたようである。

 

 

え、でも重税だったんじゃ?

という部分については、あとで触れます。

 

 

とりあえず

「理不尽にとりたてられ、重税に喘いで困窮していた農民」

みたいなステレオタイプのイメージは削除(delete)!

 

*もちろんそういう農民もいるにはいたと思うけど、、

 

 

多くの土地では、

 

まるまると肥えたこども。

しっかりした体つきの男性。

人々の満ち足りた幸せそうな表情。

簡素だけど清潔な家。

整備された庭園のような美しい田畑。

 

・・・という風景が広がっていたようです。

 

 

 

 

「住」は超シンプルだった

 

 

で、この背景には

「生活にかかる費用が極端に少ない」ということがあり、

というのは、「家が超シンプルだった」らしい。

 

なんせ、家具らしきものがほとんどなかった(!)ということ。

 

例えば、

 

一隅に小さなかまど、夜具を入れる引き戸付きの戸棚、

小さな棚の上には漆塗りの小皿が並べられている

 

と、小さな家であればこの程度だったらしい。

 

本当に、生活に必要なものだけで

豊かに満足に暮らしていた、ということ。

 

 

断捨離とか必要ないね・・・

 

すごい・・・

 

(私の1Rマンションなんてすごいよね・・・)

 

 

別に、私は

インテリアもファッションも大好きだし

その人のキャパにあわせて物はもてばいい、と思っていて

 

最低限の衣食住で満足していたこの時代を見習おう、

断捨離すべし!

みたいなことはあまり思っていない。

 

けれど、オールコックさんの下記の指摘がなんか気になる。

 

「たしかに、これほど厳格であり、

 またこれほど一般に贅沢さが欠如していることは、

 すべての人びとにごくわずかな物で生活することを可能ならしめ、

 各人に行動の自主性を保障している」

 

わずかな物で生活することが、

人々の行動の自主性に結びつく・・・

 

なんか、この言葉がひっかかる。

物欲にしばられていない、ということだろうか。

わかりそうで、まだ言語化できない。

 

 

 

 

 

実は重税にあえいでなかった

 

 

江戸後期においては、もはや

「五公五民」「四公六民」では全然なかったらしい。

 

というのは、検知自体が1700年以降ほとんど行われず、

(行政的に大変とか、農民の反攻にあうからとかそういう理由らしい)

つまり、19世紀にはいると100年以上前の査定を基準としていたということ。

 

もちろん、その間に農業技術は発達して

農業生産性もどんどんあがるわけで、

 

そうなると、江戸後期は実はさほど重税ではなかった

というのは納得できる。

 

 

 

「貧乏人は存在するが、貧困なるものは存在しない」

 

 

上記のチェンバレンの言葉が

欧米人の江戸の印象をよく表していると思う。

 

当時、ヨーロッパでは産業革命後で

工業化社会がうみだしたスラム街は、

貧困、道徳的破壊・・・とかなり悲惨な状態だったことがあり、

 

それとの劇的な対照により、

日本の貧しい農村での幸せそうな暮らしぶりに

驚いたということらしい。

 

 

 

 

 

専横的な政府のもとで、国民は幸せそうに暮らしていた

 

 

「他のどんな国民も日本人ほど、

封建的専横的な政府の下で幸福に生活し繁栄したところはないだろう」

 

と言った欧米人がいる。

 

この言葉は印象的だと思う。

 

確かに、江戸時代は中央集権であり封建社会

農民は土地をもたない小作人という立場だった

というのは事実。

 

このような社会で、幸福に暮らしていたということが

面白いと思う。

 

中央集権だとか封建社会だとかいっても

ヨーロッパのそれと、日本のそれとでは

かなり異質なものである気がする。

 

これについてはまだ分からない。

江戸の政治機構・・・これはこれからの課題!

 

 

 

だいたいが、神=Godとかもそうだけど

違う性質のものを同じ言葉で訳してしまったゆえに

本来の意味と違った解釈になってしまっている、

っていう言葉って色々あるんだろうな。

 

 

 

 

あー、今日のブログは、結論さきのばしばっかりだなぁ。

 

・・・だって、分からないのだもんしょうがないね。

 

 

 

まだまだ勉強中のただのアラサー女子です。

 

勉強中!

 

 

 

 

 

 

最後に、美しい田園風景を。

わが故郷・越後平野にて田んぼにうつった青空!

 

今日のグダグダな記事を、写真でごまかしまして終わります。。

 

 

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私は現在でも家賃の支払いにあえいでますけどね・・・

 

 

 

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